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タイでは主に3つの種類に分類される仏塔(ストゥーパ)

仏塔(ストゥーパ)とはブッダの遺骨や遺髪、聖遺物などを納めるための建造物として知られており、タイには主に3種類の仏塔(ストゥーパ)があります。

 

もっともメジャーなものは「チェーディー」とよばれるもので、これはスリランカから伝わったもので下部は丸みを帯びて上部は尖っていて、まるでベルのような形をしているのがその特徴です。

 

そしてこれは、次第に独自の発展を遂げてタイ風の仏塔として発展をしていったと言われています。

 

その他にも「プラーン」とよばれるものがあり、細かな彫刻を施した砂岩を積み上げたものでトウモロコシのような形に組み込んだクメール様式の仏塔です。

 

また「タート」とよばれるものは平面基調の仏塔であり、これはラオスによく見られるスタイルのもので、タイの東北部の寺院に多く用いられています。

 

なお日本では「仏塔(ストゥーパ)」という表現こそは用いないものの、細くて長い建物全般を「塔」と呼ぶようになり、三重塔や五重塔などのように使われています。

世界の高さを誇ると言われるナコーンパトムの「ワット・プラパトムチェーディー」

ワット・プラパトムチェーディー

ワット・プラパトムチェーディー

タイにはたくさんの仏塔(ストゥーパ)がありますが、それぞれよく観察してみるとその違いに気付くことができます。

 

中でもこれを語る上で欠かせないタイの仏塔として知られているのが、「ワット・プラパトムチェーディー」とよばれるタイのナコーンパトムにある仏教寺院です。

 

この仏塔は世界一の高さを誇るものであり、2005年には世界遺産の登録申請を出したことでも知られています。

 

高さは120メートルにも及ぶもので、下から見ると見上げるほどのとても大きな仏塔です。

 

この仏塔(ストゥーパ)は、3世紀頃にインドのアショーカ王がインドシナ半島で最初に建てたと言われており、その後11世紀この地を支配したクメール人によってビルマ風に改修されていた仏塔を、ラーマ4世、5世の命令によって今の姿に建て替えられたと考えられています。

 

タイ国内ではこの仏塔をとても大切にしており、王室の保護下に置かれています。

 

まるで天に届きそうなほどに高く聳えたつ仏塔(ストゥーパ)は圧巻であり、その歴史の歩みを感じずにはいられない光景です。

 

ワットプラケオとワット・ポーの仏塔

ワットプラケオの仏塔

ワットプラケオの仏塔

ワット・ポーの仏塔

ワット・ポーの仏塔

またタイのシンボルでもあり、もっとも格式高い王宮(ワットプラケオ)の仏塔は金色をしており、黄金の仏塔といわれています。

 

アユタヤのワットプラシーサンペットを模したと言われており、「プラシーラッタナチェーディー」と呼ばれています。

 

その金色は王宮の近くの風景からでもよく見えるほどに、金色がとてもインパクトのある光景を織り成しています。

 

また涅槃物で有名なワット・ポーには4つの仏塔(ストゥーパ)があり、その繊細な造りがとても印象的です。

 

タイでは仏塔の色もそれぞれ異なり、金ぴかに塗られているものも多く見受けられます。

 

しかしながらワット・ポーの仏塔は非常にカラフルな色合いをしており、これはチェーディーに分類されます。

 

敷地内には非常に大きな4つの仏塔があり、高さは42メートル、それぞれカラフルなタイルで装飾が施されています。

 

この4つの仏塔はラーマ1世から4世までを象徴していると言われています。

 

緑の仏塔が1世、白が2世、黄色が3世、青が4世といわれています。

 

非常に繊細な造りをしているため、近くで見ないとその色の違いはっきりとは分からないものですが、なんとも深い芸術性を感じるものです。

 

なおこの4代の王は同じ時期にこの世に生きていたと考えられたことから、それ以降の時代には同様の仏塔は必要ないというラーマ4世の命令により、4つの仏塔は敷居に囲われ、それ以降の時代には同様の仏塔が造られることはなかったといわれています。